価値あるプロ初完封=千賀、無四球で達成
最後の打者を打ち取ると、ソフトバンクの千賀の顔にようやく笑みがこぼれた。
122球を投げ切り、「ゼロで抑えられてよかった」。
2016年に3度完投しているが、意外にも完封はプロ8年目で初めてだった。
これまで完封のチャンスは何度かあったが、詰めが甘かった。
「今回もそうなるのか」。
この日も九回2死から連打され、打席には長打力のあるT-岡田。
しかし、冷静だった。
3球で追い込み、最後は外角低めの直球で三ゴロに仕留めた。
立ち上がりから150キロを超える直球と落差のあるフォークのキレは抜群。
四回までは走者を出さない完璧な投球だった。得点圏に走者を背負っても強気にストライクゾーンで勝負し続けた結果、「無四球で勝ててうれしい」。
工藤監督は「最後まで集中力が途切れることがなかった」と褒めたたえた。
今季は育成出身者として初の開幕投手を任されたが、その後は右腕や肘の不調で短い離脱を繰り返した。
これで3年連続2桁勝利に王手をかけたが、「こういう結果を続けられるように次も頑張りたい」。
慢心せず、前を見据えた。