巨人・メルセデスが来日初完封 「『スーパー』がたくさん付くほどうれしい」
普段はポーカーフェースの24歳が、この日ばかりは、にやけっぱなしだった。
巨人のメルセデスが来日初完封で今季4勝目。「非常に気分が良い。『スーパー』がたくさん付くほどうれしい」。
阪神打線を単打2本に抑え、二塁さえ踏ませない力投だった。
斎藤投手総合コーチは「右打者のインコースをしっかり攻めていた」と勝因を挙げた。
左腕のメルセデスに対し、阪神は3番に大山を起用するなど右打者中心。
その内角低めに直球をずばずば投げ込んだ。
決め球のスライダーで三振や凡打に仕留められたのも、この内角球の効果だろう。
7月に支配下登録されたばかり。
巨人の育成出身の選手としては初めての完封勝利だ。
「これからもたくさん練習してチームを助ける働きをしていきたい」と意気込んだ。
初完封以外にもうれしいことがあった。
1-0の四回、来日初安打となる左中間への二塁打を放ち、これが貴重な適時打になった。
投手としては珍しい両打ちで、かつては同じドミニカ共和国出身の英雄、マニー・ラミレスに憧れていたという。
ただ打撃に自信があるわけではなく、この一打まで17打席連続無安打だった。
初完封と初安打。
2つの記念球を同時に手に入れ、「僕にとってスペシャル。しっかり管理したい」。
投打にわたる独り舞台に上機嫌だった。